今回から3回に渡って、フォームの送信完了率を向上させるうえで有効な施策のひとつである、「確認ページをなくす」ということについて考えてみたいと思います。
意外と多い、確認ページからの離脱
確認ページからの離脱というと、もしかするとピンと来ない方が多いかもしれません。
それもそのはず。すべての入力を終えていて、多くの場合が「送信」を押下するだけという状況にもかかわらず、なぜ離脱が起こるのか?不思議に感じる方もいるかもしれません。
しかし、フォームの種類にもよりますが、確認ページからの離脱は意外と多いのです。
事実、弊社が運営するフォームのなかでも、確認ページからの完了率が3割程度しかないケースが存在します。
つまり、約7割が確認画面で離脱しているということ。
そうでなくても、せっかくすべての入力を完了してくれたユーザーを逃してしまうことほど非常にもったいないことはありません。
なぜ確認ページで離脱するのか
それではなぜ、確認ページでユーザーは離脱してしまうのでしょうか。その理由として考えられる可能性を5つ、挙げてみました。
1. 確認画面で迷う
最後に迷ってやっぱりやめる、というケースです。
特に購入フォーム、問合せフォーム、査定フォーム、申込みフォームなど、送信完了することで金銭や人とのやりとりが発生するようなフォームでは、最後の最後に迷った末、送信をやめてしまう場合が多いようです。(弊社運営の確認ページからの完了率3割のフォームも問合せのフォームです)
反対に、会員登録など送信のハードルが低い(登録してもメールが来るだけ)フォームでは、確認ページからの離脱率は比較的低い傾向がある、という所感です。(厳密に数字をとっているわけではありませんので、近い将来に数値をまとめてみたいと思います)
このケースでは心理的要因が大きいため、フォーム上の表現の工夫することで少しは改善できるかもしれませんが、根本的な解決は難しいといえます。
2. 確認画面の使い勝手が悪い
確認画面の使い勝手の悪さから、結果として離脱に繋がってしまうケースです。
たとえば、送信と修正のボタンのデザインや配置が紛らわしく、押し間違いを引き起こしやすかったり、すでに送信完了したとユーザーが誤解してしまうようなデザインになっているなどのパターンが考えられます。
この場合、ページの使い勝手を良くすることである程度の改善は見込めるとは思います。
3. 確認画面で不安を感じる
入力画面はしっかりと作りこんだページだったのが、確認画面に遷移した途端、作りが簡素すぎると違和感や不安感を感じます。
ページのデザインやメッセージなど画面を丁寧に作りこむことである程度回避できます。
4. 操作ミス
操作ミスで別のページに遷移してしまうようなケースです。
例えば、マウスを触ったときにページ内のリンクやブックマークバーなどを誤ってクリックしてしまったり、ブラウザやタブなどを誤って閉じてしまうなどのケースです。
この場合は離脱ブロックを導入することで劇的な改善が可能となります。
5. 接続の不具合
何らかの理由でフォーム送信が正常に行えない場合です。
たとえばネットワーク環境が不安定で接続が切断してしまうケースは、外出先のwifiやスマートフォンの利用で経験している人も多いのではないでしょうか。
また、サーバー側のトラブルに依る場合もあります。アクセスの集中などで負荷が高まり、送信中にサーバーがダウンしたり処理が重くなりすぎる等の理由から、正常にフォーム送信ができない場合があると思います。
ユーザーのネットワーク環境をこちらが選ぶこともできませんし、サーバーの問題も完全に予期・対策できるわけではありません。
確認ページをなくすことですべて解決
以上、確認ページからの離脱理由として考えられるパターンを5つあげてみました。
あなたのフォームでは、どの要因が確認画面からの離脱を生んでいるのでしょうか?
それぞれ、UIの修正や離脱ブロックの導入などの確認ページ内の改善である程度改善できるものもありますが、いっぽうで根本的に解決することが難しいケースもあります。
これらすべてを一気に解決するのに、最も簡単でシンプルな方法は確認ページをなくすことです。
次回は、確認ページをなくすことで得られるメリット、デメリットについて詳しく考えてきたいと思います。