EFOを考える時に考慮したい、スマートフォン特有の特徴・制約条件まとめ

スマートフォンからウェブサイトを閲覧したりフォームを入力するときに、ユーザーはさまざまな要因によって制約を受けています。

スマートフォンのEFOを考える時には、もちろんそのような制約を考慮しなくてはなりません。
これまでこのブログにおいてもスマートフォンの制約や特徴に基づいたフォームの改善方法や注意点などを紹介してきましたが、今回はさまざまあるスマートフォンの制約をあらためて整理してみたいと思います。

スマートフォンフォームの制約条件

今回まとめたのは以下の13つの制約条件です。

  1. フォーム入力に集中しにくい
  2. 作業を中断する可能性がある
  3. 太陽や光の反射がある
  4. 回線が低速
  5. ネットワークが不安定
  6. 画面が小さい
  7. クリック精度が低い
  8. 文字入力を間違えやすい
  9. クリックとスクロールの動作が僅差
  10. アニメーションにタイムラグがある
  11. クリックの感触を感じにくい
  12. マウスオーバー動作がない
  13. 右クリックの概念がない

大きく、ユーザーの置かれた環境によるもの(1~5)と、デバイスの特徴によるもの(6~13)に分かれます。
順番に解説していきます。

制約その1 フォーム入力に集中しにくい

スマートフォンでフォームを使うユーザーの多くが、外出中であることが考えられます。
特には移動時間や待ち時間、混雑した場所などでスマートフォンを使用している可能性もあり、室内で使用する場合と比べユーザーがフォーム入力に集中できる可能性は低いといえるのではないでしょうか。

制約その2 作業を中断する可能性がある

スマートフォンでは、電話の着信やメッセージの受信通知、プッシュ通知など、その他アプリケーションがフォーム入力中のユーザーの作業を中断する可能性があります。

通知バナーの例

通知バナーの例

制約その3 太陽や光の反射がある

太陽光
日中外出しているユーザーなどは、太陽光の下でディスプレイを閲覧しています。
太陽光などの強い光は画面に反射し、視認性を著しく下げてしまう可能性があります。

スマートフォンEFO:屋外でもストレスのないフォームに欠かせない配色
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制約その4 回線が低速

一昔前に比べれば随分と改善されてきているとはいえ、まだまだエリアによってはモバイル回線の速度は低速でしょう。
また、エリアとしては問題がない場合でも、通信速度制限を受けているデバイスではダウンロード速度が下がっていることがあります。

制約その5 ネットワークが不安定

混み合っている場所や移動中の車内、地下やエレベーターなどネットワークが弱い場所などではネットワークが不安定で、途中で途切れてしまう可能性があります。

スマートフォンEFO:フォームの快適性と密接に関わる通信環境を考える
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制約その6 画面が小さい

スマートフォンの画面は代表的ないiPhoneでも名刺ほどのサイズしかありません。
さらに、フォーム入力中はソフトウェアキーボートが半分を占めてしまうためにさらに画面領域が狭まります。

メニューを固定表示したりるすると、さらに表示領域は狭くなる

メニューを固定表示したりるすると、さらに表示領域は狭くなる

スマートフォンのEFO:俯瞰しにくい小さな画面だからこそ注意したいポイント
https://f-tra.jp/blog/smartphone/4027

制約その7 クリック精度が低い

スマートフォンはタッチパネル式のデバイス、つまり指で操作する必要があります。

yubi

1ピクセルを扱えるマウスポインタに比べ、指の厚みは10ミリ以上ありますので、どうしてもクリック精度が低下してしまいます。
ボタンやリンク類が小さかったり隣接したりしていると、タップミスを引き起こす可能性があります。

指で操作しやすい?タッチデバイスのフォームデザインで気をつけたいこと
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制約その8 文字入力を間違いやすい

スマートフォンで一般的な入力方式はフリック入力と呼ばれるものです。
例えば「あ」のキーを押すとあ段の文字候補が表示され、目的の文字の方向に指をスライドさせることで、文字を入力するというような方法です。

このフリック入力、相当慣れている人であれば問題ないかもしれませんが、通常のキーボード操作に比べると文字の入力スピードは遅くなりがちですし、打ち間違える頻度も多くいように感じます。

制約その9 クリックとスクロールの動作が僅差

PCでは、スクロールするときはマウスホイールかスクロールバーを利用し(ノートPCなどでは2本指でのスワイプなどもあります)、クリックするときはマウスのボタンを押下します。
基本的にそれらの動作を誤ることは少ないと思います。

しかしスマートフォンでは、いずれも「画面を指で触り」、そのあと「離す」か「スライドさせる」かの違いしかありません。
そのため、タップしようとしたのにスクロールする、あるいはその逆の現象が起こりやすくなります。

制約その10 アニメーションにタイムラグがある

デバイスやブラウザの種類にもよりますが、全体的な傾向として、スマートフォンではjavascriptなどのアニメーションの反応がもたつく印象を受けます。
タップやスクロールイベントを取得するようなjavascriptの処理は、動作の瞬間ではなく、ワンテンポ送れて実行されることがあります。

制約その11 クリックの感触を感じにくい

マウスでのクリックに比べ、指先の一部で画面に触れるという体験は、触感としても音としても反応を感じにいです。
タップ時のフィードバックがないと、ただしくタップできているかユーザーは不安を感じます。

制約その12 マウスオーバー動作がない

PCではマウスオーバー表現やマウスカーソルの形状変化によってクリック可能なエリアを判断できますが、スマートフォンにはそれがありません。

【スマホEFO】マウスオーバー表現がなくてもわかりやすいUIを作るコツ
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制約その13 右クリックの概念がない

フォームにはあまり関係がないかもしれませんが、マウスにはある右クリックの概念がスマートフォンにはありません。
タップの長押しやメニューボタンなどで右クリック的な用途を担っている場合が多いですが、スマートフォンに慣れていないユーザーには発見できない場合もありそうです。

最後に

いかがだったでしょうか。
本日はスマートフォンでの(とくにフォームを使う場合の)制約について13の例を紹介いたしました。

スマートフォンと取り巻く制約は意外と多いことがわかりますね。
すでにブログで取り上げているものについては、記事へのリンクを付けておりますので、詳しい改善方法や構築のポイントについて参考にしていただければ幸いです。

参考:http://baymard.com/blog/mobile-design-limitations

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