本日は、デンマークBaymard社のJamie Appleseed氏が公開した、「説明文」に着目したフォーム改善に関する記事を紹介させていただきます。
説明文といえば、当ブログでも適切な【補足文】があれば、フォームはもっと使いやすくなる!などの記事でも取り上げた、EFOにとって大切な一要素ですね。
この著者は、フォームの入力欄に関する説明は地味かもしれないがユーザーのフォーム入力を支援する上で重要な役割を果たしているとし、その根拠と陥りがちな説明不足のパターン15種類を紹介。
さらに、入力欄の説明を表示するための方法3パターンを挙げていました。
さっそく、順番に紹介していきたいと思います。
ユーザビリティ調査で判明した説明文の大切さ
著者は、ユーザビリティ調査の被験者のうちの大多数が、フォームのラベルの意味を正確に理解にすることができなかったと述べています。
ユーザーはラベルの意味に躓く
その例として、ある説明文のないフォームのユーザビリティテストの例を紹介しています。
テストの被験者は、ラベルの意味を理解できないことにより、その意味を推測して試行錯誤したり、ヘルプの参照、サポートへの問合せ、そして入力の放棄のいずれかを余儀なくされていたとしています。
解決策はシンプル。しかし意外と達成できていない
解決策は非常に単純で、ラベルに補足説明を追加すること、ただそれだけのはずです。
しかし驚くべき調査結果があるようです。
調査によると米国の100つの大規模ECサイトのうちの92パーセントが “不適切な”フォームのフィールドの説明を行なってしまっていることが判明。
すなわち、優れたフォームのフィールドの説明を提供できているのは非常にわずかだったということです。
そのうえで著者は、フォームが説明不足におちいっていないかを判断するための15のチェックリスト(よくある間違い)を紹介しています。
陥りがちな説明不足、15パターン
紹介されていた説明不足の15パターンは以下のとおりです。
少々長くなるため、前後編に分けてお届けしていきます。まず今回の前編では、15のうちの前半の1~9について紹介したいと思います。
- 何が求められているかがわからないケース
- 1.クレジットカードのセキュリティコード
- 2.住所の1行目と2行目
- 3.業界固有の値
- 4.略語
- 入力フォーマットが不明なケース
- 5.電話番号
- 6.パスワード
- 7.金額
- 8.クレジットカード番号
- 9.数値、日付
- どこから情報を得ればよいかわからないケース (以下は後編にて紹介します)
- 10.クレジットカードのセキュリティコード
- 11.クーポンコード
- 12.識別コード
- なぜ必要なのかが不明瞭なケース
- 13.生年月日
- 14.電話番号
- 15.クレジットカード情報の記憶
では、順に見ていきます。
何が求められているかがわからないケース
フォームのラベルそのものの言葉の意味だけわからない場合、当然ユーザーは入力を完了させることが難しいですよね。
著者はこのパターンにあてはまる例として4つをとりあげています。
1.クレジットカードのセキュリティコード
ECサイトでクレジット決済をを使うときにはお馴染みの「セキュリティコード」。セキュリティの向上のためにクレジット番号とは別に、裏面に記載されている3桁の数字をセキュリティコードと呼びますが、普段使い慣れていない人にとっては馴染みのないキーワードであることは間違いありませんね。
住所の1行目と2行目
住所の入力欄で、たとえば「都道府県と地名」「番地と建物名」のように入力欄が複数に分かれているケースは珍しくありません。
しっかりと補足説明がないと、住所のうちどこからどこまでをどちらに入力していいかユーザーは迷ってしまいます。
業界固有の値
このブログでも何度かお伝えしていますが、一般的でははい「専門用語」には注意ですね。
筆者も「発行銀行」「発注番号」のような業界固有のラベルはユーザーにとって普遍的な概念ではないと述べています。
略語
専門用語と似ていますが、略語にも注意が必要です。ユーザーが同様に略語を解釈してくれるとは限らないからです。
有名な例ですと空港の地名の略語などがありますね。(日本=JPN のような表記)
入力フォーマットが不明なケース
ラベルの理解には問題がなくても、入力形式についての説明が不十分な場合、ユーザーは入力を迷ったりエラーを起こしてしまったりする可能性がありますよね。
入力形式の縛りが緩い場合でもユーザーは迷ってしまいますので、入力例などを用意してくれていると親切です。
このケースでも5つの事例が紹介されていました。
電話番号
間にハイフンを入れるのか、入れないのか、国コードを入れなくてはならないのかなどでユーザーが迷う可能性があります
パスワード
筆者の言葉を借りると、ユーザーはこんなことで迷う可能性があります:
- パスワードの要件は何ですか?
- 最小または最大の長さはありますか?
- すべての文字が許可されていますか?
- それは文字と数字の組み合わせでなければなりません?
- 大文字と小文字の違いはありますか?
金額
国や会計のスタイルに応じて、金額の表記は複数の形状を取る可能性があるようです。
10進数と千区切り文字(ドット、カンマ、またはスペース)のパターンが考えられます。
クレジットカード番号
番号の間にはスペースを含む必要があるかどうかでユーザーが迷う可能性があります。
なぜなら通常のクレジットカードに印刷されている番号の間にはスペースが入っているためです。
数値、日付
国によって日付けの表記は異なります。「MM-DD-YY」「DD-MM-YY」もしくは逆の順序「YY-MM-DD」などの日付の表示パターンがあります。
著者は、あいまいさを避けるために月の名前を使用したり、年の表記には4桁の数字を使用することなどをおすすめしています。
日本の場合ですと「●年●月●日」と年月の単位を明確に表記することで対策できそうですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。後編では10~15つめのパターンと、補足分の表記方法3つについて紹介していきます。
参考記事:
http://baymard.com/blog/checkout-form-field-descriptions