本日はSmashing Magagineへ寄稿されたChristion Holst氏の記事をご紹介いたします。
記事はBaymard研究所が実施した調査(100つの主要ECサイトの購入フォームについて、すべてのステップをレビューするというもの)の結果を示すものとなっています。
調査そのものは2012年と少し古いのですが、まだまだ興味深い情報だと思いますのでその内容をいくつか取り上げてみます。
購入フォームのステップは平均で5.08つ

「ムームードメイン」フォームの購入ステップを示すフロー画像
購入フォームといえば、資料請求や問合せのようなその他のフォームと比べても入力する情報量が多く、その分フォームのステップも多くなりがちです。
実際に買い物カゴから購入完了に至るまでのステップは、平均して5.08ものステップが存在するとのことです。
調査結果では全体の28%が5つ、次いで22%が4つ、18%が6つ、と、全体の7割近くが4~6つのステップを持ったフォームであることが判明しています。
そして次に引用するグラフは、フォームのステップの数(横軸)と、Baymardが実施したフォームのユーザビリティ評価のスコア(縦軸)を示すものです。

ユーザビリティスコア(縦軸)とフォームのステップ数(横軸)。
上記のスコアの推移に注目すると、7~9ステップ以降は減少傾向にありますが、特にステップの数に比例してユーザビリティが低下するというわけではなさそうです。
もちろん商材の種類や価格帯などにも依存するとは思いますが、購入フォームのステップは、多すぎなければ極端にユーザビリティを左右するわけではないと言えのではないでしょうか。
24%のフォームは会員登録が必要

「楽天:会員登録フォーム
24%の購入フォームでは、会員登録をオプションではなく必須として設けているようです。
商品を購入しようしているユーザーのすべてが会員登録を望んでいるわけではありません。さらに会員登録を挟むことで購入のステップが大幅に増えてしまうことも懸念されます。
可能な限り会員登録はオプションとして用意するようにしたいですね。
81%はニュースレターの購読が必須と考えている
調査結果では、じつに81%ものフォームにおいて、ニュースレターを受け取るチェックボックスに予めチェックが入っていたようです。
さらにそのうちの32%が、とくにチェックボックス等のオプション項目を用意することなく(プライバシーポリシーのリンクを介するなどして)すべてのユーザーにニュースレターを送付するような形になっているようです。
これらはの施策で購読率は上昇するとは思いますが、本質的にユーザーの立場に立つと適切とは言えませんね。できればあらかじめチェックを入れない任意項目の形で持つことが良いと筆者も述べています。
50%が同じ情報を2回尋ねている
なんと半数ものフォームが、ひとつの購入プロセスの中で同じ情報を2回要求しているとのことです。
これは、例えば「送付先の住所」と「請求先の住所」などのように、購入フォームでは同じ情報を入力する確率が高い入力欄が存在するためです。
重複の可能性が高い項目にあらかじめ入力をしておくなどの対応を実施していたフォームは全体のわずか10%にとどまりました。
入力支援機能等の導入と合わせて、フォームにおける入力の手間はできるだけ軽減するようにしておきたいですね。
最後に
いかがだったでしょうか。本日は海外サイトより、購入フォームの傾向にまつわるさまざまなデータを紹介しました。
今回取り上げていない興味深い数値もございますので、ぜひ元記事(英語)もご覧ください。
※参考記事
The State Of E-Commerce Checkout Design 2012 – Smashing Magazine