EFOを考える時、フォームの見た目や入力補助だけではなく、ときには項目(設問)の内容を精査しておきたいものです。
本日は、そんなエントリーフォームの項目の内容について、考えていきたいと思います。
ユーザーは意外と「項目の内容」でストレスを感じていた
弊社が昨年末に実施したフォーム入力に関するアンケートにおいて、
「フォーム入力を途中でやめた/やめたくなる瞬間」の理由として下記のような意見が寄せられていました。
- 選択式の設問等で、自分に当てはまる選択肢が用意されていない(50歳男性 会社員(技術系))
- フリーアンカーで入力に困る質問等(26歳男性 会社員(技術系))
- 質問の意図が分からず、正確な回答が困難だったため。(22歳女性 学生)
- 矛盾する入力を求められたから(50歳男性 自営業)
このように、ユーザーは意外と設問の内容でストレスを感じているのです。
自分のフォームは大丈夫、と思っているあなた、本当に大丈夫でしょうか?
下記にチェックポイントを用意したので、あらためて設問内容を見なおしてみてはいかがでしょうか。
設問設計に関するチェックポイント
- 設問の意味は正しく理解できるか
- 専門用語は使っていないか
- 長たらしい設問文になっていないか
- 矛盾する内容になっていないか
- 適切に分岐しているか
- 不要な項目は表示していないか
- 選択式の設問が適切に設計できているか
- MECEな状態に洗い出せているか
- 迷ったらその他項目を用意しよう
- セレクトボックス&ラジオボタンorチェックボックスの使い分け
- フリー入力欄に注意
- フリー入力欄は、極力使わない
- 入力例を用意しておくと親切
- 項目の順番は適切か
- 1つめの項目は迷いない内容に
- 自然な流れで設計しよう
それでは、順番に解説していきたいと思います。
チェックポイントその1:設問の意味は正しく理解できるか
冒頭で紹介したユーザーの声の中でも、
質問の意図が分からず、正確な回答が困難だったため。(22歳女性 学生)
という意見が見られたように、設問の意味や意図が理解できなければ、元も子もありません。設問は、誰が見ても明らかな内容にする必要があります。
そのためには、以下のようなパターンに気をつけたいところです。
専門用語は使っていないか
サービス名や固有名詞など、ユーザーが普段馴染みのない専門用語を設問のなかで使う場合が注意が必要です。
専門用語は極力使わないか、見落とす確率がが義理無く低いように説明書き入れる、などの工夫を行いましょう。
長たらしい設問文になっていないか
設問の文が長い場合は要注意。
文が長くなればなるほど、ユーザーのミスリーディングを招いてしまいます。
できるだけ端的な言葉を選ぶよう心がけると良いでしょう。
チェックポイントその2:矛盾する内容になっていないか
矛盾する内容は、ユーザーに不信感を抱かせるおそれがあります。
内容が矛盾する原因としては以下のパターンが考えられますので、注意しましょう。
適切に分岐しているか
分岐があるフォームで、分岐がうまく動作していないと矛盾が生じるケースがあります。
分岐が失敗しているフォームについては、好ましくないというよりはバグなので即刻修正するべきです。
特定の環境下でバグが起こるなどの場合があったりもしますので、分岐のあるフォームの場合は更新のたびに念入りなテストを怠らないようにしましょう。(当たり前のことですが)
不要な項目は表示していないか
下記のようなケースです。
特定の選択肢を選んだユーザーにとっては必要のない選択肢が見えてしまっている場合、矛盾があると感じてしまうことがあるでしょう。
そのような設問は、あらかじめ隠しておき必要な条件下でのみ見せるように実装しましょう。
これは項目数を少なく見せることにもつながります。
チェックポイントその3:選択式の設問が適切に設計できているか
選択式の設問は、意外な落とし穴。
以下のポイントを必ずクリアするようにしましょう。
MECEな状態に洗い出せているか
「MECE」という言葉を使いましたが、これは「漏れなく、重複がないこと」の意です。
上記で紹介したユーザーの意見のなかにも
選択式の設問等で、自分に当てはまる選択肢が用意されていない(50歳男性 会社員(技術系))
というものがありましたが、このような事態を引き起こさないために、あらゆるパターンを想定した選択肢の洗い出しを行いましょう。
迷ったら「その他」項目を用意しよう
物事には必ずといっていいほど例外がつきまといます。
上記でどうしてもMECEな状態に落とし込めない場合は、「その他」の選択肢を必ず用意しましょう。
セレクトボックス&ラジオボタンorチェックボックスの使い分け
セレクトボックスとラジオボタンは複数の選択肢から「1つだけ」選ぶもの。対してチェックボックスは複数選ぶことが可能です。
使い方を誤るとユーザーはどの選択肢を選んで良いかわからなくなってしまいます。適切なコンポーネントを使用しましょう。
チェックポイントその4:フリー入力欄に注意
ユーザーというのは基本的に受け身なものです。
受け身なユーザーにとって、フリー入力欄は文章を能動的に自分で考え、たくさんのテキストを入力しなくてはならないため、たいへんな労力を必要とします。
フリー入力欄は、極力使わない
フリー入力欄は極力使わないことが、精神的に快適なフォームを作る上では重要です。
チェックボックスでありそうな答えをあらまじめ頭出ししておくなど、フリー入力欄を極力利用しなくても済む形に設計しましょう。
どうしても必要な場合も、必須にはしないほうが無難です。
入力例を用意しておくと親切
過去記事EFOで大切な<入力例>の存在と、<プレースホルダー>活用のススメ【前編】でもお伝えしましたが、入力例を用意してユーザーのフリー入力を促進してあげると親切です。
入力例があれば、同じ内容やフォーマットをそのままユーザーが流用することも可能ですね。
チェックポイントその5:項目の順番は適切か
設問の内容、とポイントとは厳密にはずれますが、設問をどのような順番で入力していくかというのも内容と同様に、ユーザーを戸惑わせないための大切な検討ポイントです。
1つめの項目は迷いない内容に
過去記事順番を変えるだけで成績アップ!?フォームの1つ目に[OK][NG]な項目とは?【EFO】で詳しく取り上げているので、詳しくはそちらを参考にしていただければと思いますが、一番最初に入力する項目は、心理的ハードルが低く、普段から入力しなれているような(=立ち止まって考えなくても入力できる)項目を配置しましょうというお話です。
具体的には、氏名や性別、「はい/いいえ」など単純な選択肢のラジオボタンが良いでしょう。
自然な流れで設計しよう
まずは欲しい商品の情報、次にユーザーの情報、郵送方法、支払い方法…というように、入力完了に至るまでにさまざまな情報しなくてはならないユーザー。それぞれ入力時には「商品」「自分」「カード情報」など、対象を思い浮かべているはずです。
これがすべてバラバラな順番に並んでいたら…その都度ユーザーは考える対象を変えなくてはなりません。ストレスを感じることもあるでしょう。
そのため、似ている情報は近くに並べ、分岐や入力の重複が極力起こらないように適切な順番に並べると良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、設問設計に関する下記のチェックポイントをご紹介しました。
- 設問の意味は正しく理解できるか
- 専門用語は使っていないか
- 長たらしい設問文になっていないか
- 矛盾する内容になっていないか
- 適切に分岐しているか
- 不要な項目は表示していないか
- 選択式の設問が適切に設計できているか
- MECEな状態に洗い出せているか
- 迷ったらその他項目を用意しよう
- セレクトボックス&ラジオボタンorチェックボックスの使い分け
- フリー入力欄に注意
- フリー入力欄は、極力使わない
- 入力例を用意しておくと親切
- 項目の順番は適切か
- 1つめの項目は迷いない内容に
- 自然な流れで設計しよう
今一度、ご担当のフォームの設問を見直すきっかけとなれば幸いです。