以前の記事フォーム完了率を最短距離で最大化する、フォーム改善サイクルの流れで、フォームの成績を最短距離で最大化するには、以下のような流れが効果的だとお伝えしました。
今回のエントリでは、この流れの2つ目のステップである【問題解析】の方法について、詳しくお伝えしようと思います。
前回までのおさらい
本題に入る前に少しだけ振り返りをしたいと思います。
フォーム完了率を最短距離で最大化する【現状分析】の手法というエントリーで、
上記の流れの最初のステップ【現状分析】の手法について詳しくお伝えしました。
下の図のようにフォームの成績を段階に分けて計測・分析し、各段階での現状を把握することが有効なアプローチだとお伝えしています。
問題解析とは?
【問題解析】とは、問題箇所の課題をさらに深堀りをしていく行程を指します。
上記の【現状分析】を経て、異常に高い数値があったり、特定数値の極端な増減があった場合など何らかの問題がありそうな箇所を発見した場合、【問題解析】のステップに進んでいくということになります。
問題解析のコツ
問題解析は、問題箇所にあわせた幾つかのチェックポイントと実際のフォームを照らし合わせながら、数値に問題がある理由に仮説を立てていく流れが有効です。
そこで、本記事から下記の3回にわたり、実際に当社でも利用しているチェックポイントを具体的にご紹介していきたいと思います。
- フォーム直帰率の数値が高い場合
- 入力途中離脱の数値が高い場合
- 送信途中離脱の数値が高い場合
今回は「1.フォーム直帰率の数値が高い場合」です。
それではさっそく見て行きましょう。
フォーム直帰率の数値が高い場合のチェック項目
フォーム直帰、つまり、フォームを訪れてから何のアクションもせずにページから離脱してしまったユーザー。
単純にフォームを入力する気がなかったユーザーだという可能性もありますが、フォーム側の問題による場合も多くあります。
フォーム直帰の場合、フォームを開いてから入力するかやめるか判断するまで、時間にして数秒。この間のぱっと見の第一印象がカギです。
それではこの第一印象を左右するものにはどのような問題がありそうか、大きく以下の3点のチェック項目を確認しましょう。
順番に詳しく見て行きます。
入力の見通しがつくか
フォームを開いた瞬間、「複雑そう…」「面倒くさそう…」「時間がかかりそう…」こんな印象をユーザーは抱いてしまっていないでしょうか?
そのような印象を持ってしまう、つまり入力完了までの見通しが見えないフォームになっていないかを確認しましょう。
具体的には下記のようなチェックリストが有効です。
入力がどれくらいで終わるかを明示しているか
例えば残りの必須項目数を示す「ガイドナビゲーション表示」や背景色設定などにより、どのくらい項目入力をすればいいのかをユーザーが直感的に理解できることでストレスを軽減できます。
フォーム送信までに画面がどれくらい続くかを想像できるか
手順の流れを示すフロー表示などで、フォーム完了までのステップが明確に示されていることはユーザーに安心感を与えます。
ファーストビュー内に最初の入力は表示されているか
フォームの最初の項目がスクロールなしでたどり着けると、入力開始までのハードルがぐんと上がります。
最初の項目は入力しやすいか
入力フォームの最初の項目を入力しやすくするだけでユーザーの直帰は減らせるでもお伝えしていますが、フォームの1つめの項目は、ユーザーは深く考えずに入力できるものや、入力し慣れているもの(名前など)にすることで、入力開始につなげやすくなります。
入力のメリットはイメージできるか
フォームに訪れたユーザーには、そもそもフォームを送信するつもりがなかったり、まだ迷いがある状態など、送信完了へのモチベーションが低いユーザーは多いでしょう。
しかし、そんなユーザーをみすみす逃してしまって良いでしょうか?
せっかくフォームに辿り着いたユーザー。送信意欲をアップさせ、その気にさせる工夫ができているでしょうか?
そういった観点でフォームを観察しましょう。
フォーム送信のメリットは明示しているか
いきなり入力欄が始まるよりも、フォームを送信することで得られるメリットを明示することで、モチベーションは高まります。
フォーム送信のメリットをユーザーが具体的にイメージできるか
アピールするメリットはユーザー視点になっているでしょうか?ユーザーに刺さる訴求方法を検討しましょう。
送信することに不安を感じないか
フォームのページを開いた時の第一印象で不安を感じた場合、入力に進んでくれるユーザーはほとんどいないのではないでしょうか。
ユーザーに不安を与えるフォームになっていないかを下記のチェック項目などで確認しましょう。
セキュリティに関する警告は表示されないか
SSL環境化などでありがちなミス。例えば、うっかりSSLの期限切れが置きたり、SSL環境外のファイルを読ませているとブラウザに警告表示が出てしまいます。
環境ブラウザによってエラーがでていたりするので、しっかり確認したいところです。
サイトのロゴは表示されているか
参照元とデザインが異なるなど、フォームページの印象がガラリと変わると、それだけでユーザーは不安に。
せめてサイト名やロゴはフォーム内に明記し、何のフォームなのかをはっきりユーザーに示したいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、【問題解析】の考え方と、フォーム直帰が多い場合の具体的なチェック項目についてお伝えしました。
大きく、以下の3点となりました。
今回取り上げた具体的はチェック項目のほかにも、フォームの問題はさまざま。
上記の視点を参考に掘り下げていきましょう。
次回のこのテーマでは、引き続き【問題解析】の別のケースの具体例をご紹介していきます。